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格付けで保険会社を見極める

保険会社の見極め方

一般の人が、企業が発表する決算報告(損益計算書、貸借対照表等)をいきなり読みこなすのは、とても難しいことと思います。しかし難しい会計用語がわからなくても、最近よく耳にする馴染みの有る言葉で「格付け」とか「ソルベンシ-・マ-ジン比率」という表示される数字や、記号で損益計算書、貸借対照表、有価証券の時価情報等を分析できなくとも経営の厳しい保険会社か、そうでないか大体わかります。

格付け会社

格付けというのは、本来は投資家が投資対象を選択する為の情報です。格付けをビジネスとして行う世界的にも名の知れた会社
として

S&P(スタンダ-ド&プア-ズ)、

ム-ディ-ズ、
フィッチ・レイティングサ-ビス、
日本では格付け投資情報センタ-などがあります。

保険会社の格付けは、保険財務力すなわち 「保険金支払い能力」
を示しています。以下に例としてS&P社の格付けの説明をします。

AAA     保険財務力が極めて強い。スタンダード&プアーズの最上級の格付け。
AA      保険財務力が非常に強い。最上位の格付け(「AAA」)との差は小さい。
A        強い保険財務力を有するが、上位2つの格付けに比べ、事業環境が悪化した
         場合、その影響をいくぶん受けやすい。
BBB     保険財務力は良いが、上位の格付けに比べ事業環境が悪化した場合、その
        
影響を受けやすい。

「BB」以下に格付けされる保険会社は、強みを上回る不安定要因を有する可能性があると
みなされる。「BB」はこのグループで不安定性が最も低いことを示し、「CC」は最も高いことを示す。

BB      保険財務力が限界的である。プラス要因もあるが、事業環境が悪化した

        場合、債務を履行する能力が不十分になる可能性がある。
B       保険財務力が弱い。事業環境が悪化した場合、債務を履行する能力が損なわ

        れる可能性がある。

CCC     保険財務力が非常に弱い。債務の履行は良好な事業環境に依存している。

CC       保険財務力が極めて弱い。債務をすべては履行できない可能性がある。
R       債務履行能力に関して規制当局の監督下にある。「R」は、違反行為など、

        財務上の問題と関係のない事柄によってのみ付されることはない。

以上S&P社からの引用です。

ソルベンシ-・マ-ジン比率について

ソルベンシーマージンとは、「支払余力」を意味します。保険会社は将来の保険金などの支払いに備えて責任準備金を積み立てているので、予想できる範囲のリスクについては十分対応出来ます。

しかし、予想を越えるような変化の有る場合、例えば大災害とか株式の大暴落等のような、普通の予測を超えるようなリスクに対応できる「支払余力」を保持しているかどうかを判断するための、行政監督上の指標の一つがソルベンシー・マージン比率です。

尚このソルベンシ-・マ-ジン比率が200%を割ると、監督当局によって早期に経営の健全性の回復を図るための措置がとられます。

具体的には、通常予想できる範囲を超える諸リスクを数値化した「リスクの合計額」と諸リスクに備えるための
「ソルベンシ-・マージン総額」を用いて計算した数値です。

ソルベンシ-・マ-ジン総額とは
資本の部合計、価格変動準備金、危険準備金、一般貸倒引当金、その他
有価証券の評価差額×90%、土地の含み益×85%、劣後ローンなど。
リスクの合計額>保険金支払いリスク相当額+予定利率リスク相当額+資産運用リスク相当額
+経営管理リスク相当額の50%で上記の分子のソルベンシ-・マ-ジン総額を割って100倍して数値化したもので
この比率が経営の健全性を示す一つの指標ではあります。

以上生保協会からの引用です。

保険料等収入と保険金支払い

保険料等収入とは、一般の企業にとっては売上に相当し、商品の多様化と伴に低価格化傾向にあり保険料収入が前年より減収と言うのは、保険会社に限らず一般の企業でも前年度よりも売上が下回るというのは、余りいいことではない。

この減収傾向が5年位続くようだと、注意した方がいいだろう。一方、「出」の方の保険金支払ですが、死亡保険金、満期保険金、給付金等の支払いですが、問題のポイントは解約返戻金の動向です。解約返戻金の支払い割合が支払い保険金の中で何年も高割合を占めたり、増加傾向にあったり、高止まりしたままであればやはり要注意です。
又、「出」と「入り」のバランスですが、やはり、「保険金等支払金」が「保険料等収入」より多い状況が続くのも要注意。

保有契約高と新規契約

保有契約高も新規契約高も、保険種類はそれぞれ個人保険、個人年金と団体保険と団体年金の合計になります。
その中で注目する点を上げますと、個人保険の契約動向で、新規契約や保有契約高は前年度対比はどうか、と云ったところがポイントになります。

勿論、両方とも前年度より増加しているのが経営堅調の評価の一つの目安になりますが、新規契約が増加しているにもかかわらず、保有契約高
が減少している場合は、解約や失効が増加しているという事になる。

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損益計算書と貸借対照表

企業の業績報告を「ストック」と「フロ-」の面から報告しているのが、貸借対照表と損益計算書です。

保険会社の場合には、貸借対照表の「資産の部」は契約者への将来の保険金支払いに備えた責任準備金等に対応する、
資産の内訳を示しています。具体的には、現金及び預貯金、コールローン、金銭の信託、有価証券、貸付金、不動産及び動産など
です。
資産の内訳の中で大きな割合を占める、有価証券(国債、地方債、社債、株式、外国証券)の動向がやはり気になります。
有価証券の時価情報等を見て取得価格との差、評価損益がどの程度ということになりますが、しかし全体の評価の仕方はプロでも
難しい面が有ります。
ただ我々がこうしたことを多少でも知っていると、こうした問題に関する情報を聞いても一歩進んだ
解釈が出きるようになるという事になります。

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