生命保険@deep

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転換制度について考える

保険を新しい保険に下取りしませんか、と言うような話をよく耳にすることと思いますが,まずは最初にこの制度がどんな制度なのか簡単に説明しますと、今まで掛けてきた保険を解約と同時に新規の契約をするということです。
定期特約付き終身保険転換のイメ-ジ図を参照
 図のように解約金を、特約の定期保険と主契約の終身保険に一定の比率で、例えば10対1、あるいは15対1でそれぞれに充当します。

ここで注意しなければならないのは解約金をどの部分に、どれだけ充当したのかが問題である。
極端な例になると100%掛け捨ての定期特約に充当しているケ-スもある。
勿論、本人がそれで納得していれば何も問題はないが、保険料は以前と余り変われませんよ、という言葉に惑わされて何となく契約しているケ-スも多い。

 通常解約をすれば解約金は、手元に払い戻されるのだが、こういった手法で契約を交わしているので消費者の方も新たに契約をしたという認識が薄いのかも知れないし、又外務員も余り客にとって都合の悪いことは説明していない。
 実際にはそれぞれの転換価格が(解約金から定期保険や、終身保険に充当した部分)
どのくらい有るので、年齢が上がっているにもかかわらず保険料は余り変化しませんと、はっきり説明しているのは少ないように思えるし、又ただ会社から云われるままに設計書を提示するだけで、説明能力のない外務員もいる。


何故転換なのかその背景は
  転換制度そのものは、私がこの業界に入った約20年ちょっと前からも大手の日本社のなかにも多少取り扱うとこがあったような記憶がある。
当時はまだ定期付き養老保険が主流の時代で30年満期のいわゆるL字型保険(高額保障が15年とか20年位であとは極端に保障が低くなるのでLの字のようになるもっとも現在でも養老保険が終身保険に変わっただけ)だった。

 今なぜ多くなったか、第一の理由はここ何年かの低金利の運用難で高い予定利率で契約した(最高で6.25%)過去の保有契約が経営を圧迫しているのが現状だ。
低金利が定着している限り、よほどの運用能力にたけていない限り、ギャクザヤ現象はなかなか改善しない。
一番手っ取り早い方法は、低い予定利率の新商品を出して、それに乗り替えさすのが一番早い方法である、つまり新商品というのはあくまで生保会社の都合で顧客のためのではない。

 第二の理由は、自社の顧客の囲い込みと単価アップである。私自身の経験でも新規契約というのは殆ど他社契約をつぶして契約、もちろん明確な理由で説明してその後のお客の選択でそうしているが結局はお互いつぶしあいである。

 だから他社につぶされる前に転換するほうが会社にとっていい。それと責任準備金(満期金.解約金などいずれは客に返還するお金)の支払いの先送りである。保険事故というのは、会社側から見れば何も死亡金の支払いだけでなく解約金や満期金の支払いもみな同じである。

 第三の理由は営業員の給料体系や、それに伴う成績等などが転換契約の10年更新型、15年更新型の方が手数料もいいのである。他の方法で見直すことは、いくらでも出来るがそうすると金にはならないからである。
営業員の資質もあるが会社の戦略が基本的にそうしているのである。

 一般的に転換の是非は言えないが(一つの選択肢)ただ選択肢がこれしかないというのは誤りで、少なくと2種類位は提示すべきである。
私自身はこの転換制度はあまり好きになれない、もちろん全部取り替えた方が売上アップし手数料もいいが、顧客に不利益となるような事は本当のプロは絶対にしないと思います。現在有るのもを活用したり、不用部分を削除したり、不足部分を補うような提案をするのが、本当のプロだと思います。

 又2年や3年で過去に加入してもらった顧客に新商品が出たから見なおしませんか、と言うのは自分自身の提案能力を否定することである。

カテゴリー… 生命保険の設計.

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